第9話「秘密」
与太郎(竜星涼)と小夏(成海璃子)が結婚してから歳月が流れ、与太郎は堂々たる真打ちに成長しています。一方で、八雲(岡田将生)は70代に入り、至高の芸は健在ながら、人知れずある悩みを抱えています。
八雲は古希を迎え、その芸はますます枯れて深みを帯びてきた一方、誰にも言えない悩みを抱えてもいました。落語の途中で噺を忘れてしまうことがあり、七代目から同じ悩みを聞かされたことがあります。七代目は八雲に八代目を譲って引退したいと考えていましたが、八雲はまだまだ落語を枯れるまでやり続ける覚悟を持っています。
与太郎と小夏、そして小夏の息子の信之助とともに七代目の墓参りに来ていた八雲は、七代目にそう語って聞かせていました。一方で、与太郎は押しも押されもせぬ堂々たる真打ちとして人気を博しています。小夏も「下座」として三味線を弾くことになりましたが、八雲の悩みに気づいているのは長年仕えてきた松田だけでした。