連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第12話のあらすじは以下の通りです。
第3週「1942-1943」
第12話では、主人公・安子(やすこ)の運命が大きく揺れ動く瞬間が描かれています。戦時中の日本、昭和17年(1942年)の厳しい情勢の中で、愛と家族の絆が交錯する様子は、歴史ドラマファンにとって非常に興味深いものとなっています。このエピソードでは、安子が雉真家(きじまけ)に和菓子を届けに訪れるところから物語が始まりますが、そこで待ち受けていたのは稔(みのる)ではなく、その母・美都里(みどり)でした。
美都里は、安子が訪れたことを知ると、冷たい口調で「二度と稔には近づくな」と告げます。この厳しい言葉は、母としての責任感から出たものでしょう。戦時中という背景がある中で、家族の名や立場を守ることがいかに重要であるかを物語っているのです。美都里は和菓子の代金だけを渡し、安子を一方的に排除しようとする姿勢に、彼女自身の苦悩が見え隠れします。稔への愛を貫こうとする安子に対して、美都里はその想いを阻む壁として立ちはだかります。
次の日、安子が美都里の仕打ちをきぬから聞かされた稔は、怒りを露わにします。彼は、自らの意思で安子を選ぶ決意を固め、「縁談には乗らない。女子と一緒になるつもりだ」と両親に宣言します。この瞬間、稔の心の中にある安子への真剣な想いが表れ、彼の成長を感じることができます。千吉(せんきち)はその決意を受け入れつつも、「好きなようにしろ。ただしその時は雉真の名を捨てよ」と厳しく告げます。この言葉は、家族の名誉と愛の選択の間での葛藤を象徴しています。
さらに千吉は、安子を養う覚悟を問いただします。これは、戦時中における男の責任感と、家を守るための決断を意味しています。戦争が人々の生き方や価値観を変えてしまう中、愛のために名を捨てる覚悟が必要であるということは、観る者の心に深く響くものです。
翌日、稔は安子に会いに橘家(たちばなけ)を訪れ、「戦争が終わったら大学を卒業して、一緒になりたい」と告げます。しかし、その言葉に安子は身を引く覚悟を固めます。彼女の中で、愛する人との未来を夢見る一方で、戦争という厳しい現実が二人の関係を脅かしているのです。愛と運命に翻弄される二人の姿は、視聴者の心を掴むこと間違いありません。
このように、愛と家族の葛藤を中心に展開される「カムカムエヴリバディ」は、戦時中の日本の歴史的背景を反映しつつ、キャラクターたちの成長や選択が織りなすドラマを通じて、深い感動を呼び起こします。今後の展開がますます楽しみです。