中国ドラマ「長相思（ちょうそうし）」のシーズン1第30話のあらすじは以下のとおりです。
第30話は、これまで積み重ねてきた物語が緊迫の頂点に達する衝撃的な展開が描かれています。歴史ファンにとって、この回は愛と復讐の交錯が切なくも鮮烈で、登場人物たちの運命に目が離せません。
物語は、小夭（しょうよう）が辰栄馨悦（しんえいけいえつ）に誘われ、梅林へ出かけるところから始まります。しかし、そこには沐斐（もくひ）という謎の男が待ち構えていました。彼は小夭の祖である赤宸（せきしん）に一族を皆殺しにされた恨みを抱き、小夭に襲いかかります。小夭がいかに自分が赤宸と無関係であることを訴えても、復讐に燃える沐斐の心は冷えることなく、やがて小夭の全身を利刃で滅多刺しにしてしまいます。このシーンは、歴史的な怨念と愛憎の重みが小夭に一心に降りかかる悲劇的な運命を感じさせます。
同じ頃、小夭に思いを寄せる西炎瑲玹（せいえんしょうげん）も、胸騒ぎに襲われて梅林へ向かいます。そして、そこにはひどい火傷を負いながら小夭を抱きかかえる塗山璟（とさんけい）の姿が。塗山璟もまた、異変を感じ取り小夭のもとへ駆けつけましたが、既に息絶えた小夭に霊力を注ぎ続けていたのです。二人の男が小夭を想う気持ちが、命を懸けた行動に現れたこのシーンは、古代の壮大な愛憎劇が凝縮された名場面といえます。
この第30話が伝えるのは、復讐の連鎖がいかに人の運命を翻弄するかという歴史の深いテーマです。沐斐が背負う一族滅亡の恨みと、西炎瑲玹や塗山璟が抱く小夭への想いが交錯する中、彼らの愛情や怨念が、古代の戦乱に生きる者たちの苦悩を一層浮き彫りにしています。復讐に燃える沐斐と、愛のために命をかける塗山璟や西炎瑲玹の行動は、観る者に人間の感情の深さと、時代に縛られた悲劇性を痛烈に感じさせるのです。
古代中国という背景は、親族の仇討ちや一族の名誉が個人の生き方を支配していた時代。こうした強い社会的なしがらみの中で、愛や友情、憎しみがどう絡み合っていくのかが物語の中心に据えられています。特に、この回の小夭と塗山璟、西炎瑲玹の絡みは、その時代の生き様を象徴するものであり、彼らが古代の掟に縛られながらも懸命に生きる姿に心が揺さぶられます。
「長相思」は、単なるロマンスではなく、歴史の大きな流れの中で繰り広げられる愛憎と復讐のドラマです。特に今回のエピソードは、小夭というひとりの女性をめぐる愛と恨みが激突し、次なる展開への期待を高めます。果たして、小夭の命運はどうなるのか、塗山璟と西炎瑲玹はどのように彼女を救おうとするのか、この先の展開から目が離せません。
