NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』の第77話のあらすじは以下のとおりです。
第16週 「若き者たち」
第77話では、心に傷を負った若者たちが、再び自分の居場所と未来を探し始める姿が描かれています。歴史ドラマを愛する者にとって、この展開は戦国の戦場から戻ってきた武士たちが平穏を求めるように見え、若者の葛藤と成長に心を揺さぶられます。
百音（もね）は、気仙沼へと帰ろうとする亮（りょう）を東京のバスターミナルで見つけます。彼女は亮と対話し、過去の重荷に押しつぶされそうな彼を支えながらも、気仙沼に戻るのを引き止めました。百音の優しさと強さに触れ、亮も少しずつ冷静さを取り戻していく姿が、まるで戦場から戻る決意をする戦士のようです。百音にとって、亮は大切な友人であり、過去を克服しようとする仲間です。そのため彼女は、亮が無理に戻って再び傷つくことを避けさせようとしています。
気仙沼では、亮の父である新次（しんじ）が過去の痛みに囚われたままで、家族や友人と向き合うことを避けてきました。そんな彼のために、亜哉子（あやこ）と耕治（こうじ）が仮設住宅を訪れ、彼に温かい手料理をふるまいます。その食卓を囲んで笑顔を取り戻していく新次の姿には、戦場から戻り、仲間との時間を通じて癒されていく英雄たちのような再生が感じられます。新次が少しずつ過去の痛みと向き合い、心の平穏を見出そうとするこの過程は、視点を変えれば、歴史ドラマにおける英雄の再起と重なるのです。
また、汐見湯に戻った百音が未知（みち）を引き留めた場面には、幼馴染たちが未来について真剣に語り合う場面がありました。悠人（ゆうと）は役所に就職し、三生（みつお）は寺を継ぐ決意を固めるという、それぞれの選択を報告し合います。その中で明日美（あすみ）は「地元で頑張ることが偉い」という価値観に異を唱え、外に出ることや挑戦することの大切さを語りました。これは、地方に生まれた若者が、故郷に対する責任と自分の夢との間で揺れる姿を象徴しています。戦乱の時代にも武士や侍たちが領地を離れて主君に仕えるか、それとも地元に留まるかを悩んだように、現代の若者も自分の生き方について悩んでいます。
久々に再会した幼馴染たちが、それぞれの人生を見つめ直し、進むべき道を探す様子には、歴史の英雄たちが葛藤を抱えながらも運命に立ち向かう姿が重なります。戦乱をくぐり抜け、再び出会うことで絆を深め、支え合いながら未来を切り拓いていく彼らの姿は、ドラマの中でますます輝いて見えます。
