NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』の第92話のあらすじは以下のとおりです。
第19週 「島へ」
第92話では、百音(もね)の心情の揺れ動きと、それを支える人々の姿が描かれ、物語はさらに深みを増していきました。この回の大きなテーマは「家族」と「人のつながり」。それは、歴史ドラマにおける「忠義」や「家族の絆」といったテーマに通じるものがあります。
まず、百音が実家に電話をかけて家族の無事を確認する場面。戦国時代の武士たちも、家族を守るために命を懸けて戦いました。そのため、家族の安全や無事を確かめることは、命の次に大切なことであったでしょう。百音が家族とのつながりを確認することで、彼女の心は少し落ち着きを取り戻しますが、そこに待ち構えていたのは、思いがけない知らせでした。それが、龍己(たつき)のカキ棚が突風によって大きな被害を受けていたことです。
家族の問題と同じように、龍己のカキ棚の被害も百音にとっては心配でならないものでした。このあたりの心情は、歴史ドラマでよく描かれる「家族のために尽力する姿」に近いものがあります。百音が実家に帰ることを決意したとき、菅波(すがなみ)は彼女を励まし、後押しします。菅波の「自分の目で確かめるべきだ」という言葉は、まさに戦国時代の武将たちが部下や家族を信じて送り出す時のような頼もしさがありました。どんなに不安でも、最終的には自らの足で踏みしめ、問題に立ち向かう強さが必要だと、百音に教えているかのようです。
一方、菅波の場面では、かつて彼が駆け出しの医師だった頃の患者・宮田との再会が描かれました。宮田が菅波に感謝していることを伝えるシーンは、歴史ドラマにおける「恩返し」や「人のつながり」の美しさを感じさせます。過去の出来事が現在のつながりに変わり、成長を感じる瞬間です。歴史上の人物たちも、恩義を感じる者には必ずしも忘れず、時が経ってもその絆を大切にしていたことがうかがえます。
そして、最も印象的なのは、百音が実家に到着したときの光景です。家族や島の人々が一丸となって、龍己のカキ棚の修復作業を手伝っている姿。これこそが、家族や地域の絆が如何に強く、時に予想もしない形で人々を結びつける力があることを示しています。百音の心を癒し、支えるのは、まさにその「つながり」の強さなのです。歴史の中でも、どんなに困難な状況でも、人々が協力し合い助け合うことで乗り越えてきました。このシーンは、その象徴とも言えるでしょう。
『おかえりモネ』は、現代の家族や人間関係を描きながらも、過去の時代の精神をしっかりと受け継いでいます。困難に立ち向かい、時にそれを乗り越えるために人々がどう行動するのか。その姿勢は、まさに歴史ドラマにおける「人間の強さ」を感じさせ、これからの展開にますます期待を寄せたくなるのです。