連続テレビ小説「カーネーション」の第120話のあらすじは以下の通りです。
第21週「鮮やかな態度」「ルドベキア」
第120話は、家族の絆や自己実現の苦悩、そして新たな旅立ちが交錯する感動的なエピソードです。昭和40年(1965年)元旦、物語は新しい年の幕開けとともに始まりますが、その背景には優子の独立への強い意志と、糸子の母としての葛藤が深く根ざしています。
優子は北村の心斎橋の店舗物件で自分の店を開く決意を固め、融資の相談まで進めています。この新たな展望は、彼女が岸和田で感じていた窮屈さからの解放を求めるものであり、「生きながら死んでいるようなもの」と感じていた優子の心の叫びが伝わります。自分の夢を実現するために、彼女は果敢に挑戦しようとしているのです。母の糸子もまた、その決意を認めつつ、オハラ洋装店の看板を譲る準備をしていたことを告げますが、優子の思いが先に立つのを感じ、胸の内で葛藤します。
ここで特に印象的なのは、糸子が命よりも大事だと語った看板を、優子が北村の物件の方が良いと言ったことで、心の底からの悔しさを抱く姿です。母として、娘の独立を誇りに思いたい反面、自分の育てた看板が他人の手に渡ることへの無念さが交錯します。この複雑な感情が、ドラマの深みを一層増しています。
糸子が優子の独立を見届ける決意を固め、店の開業に集中させるために優子をオハラ洋装店から追い出す場面は、母の愛情と葛藤が交錯する瞬間です。糸子は聡子が一人前になるまで、オーナーとしての責任を全うできることに安堵するものの、優子の新たな門出を見送ることに心を痛めます。母から娘への思いが詰まったこのエピソードは、単なる家族のドラマに留まらず、自己実現や夢への挑戦を描く普遍的なテーマとなっています。
新年を迎えた小原家では、三姉妹が一堂に会し、明るい未来を感じさせる雰囲気の中で、直子が東京の店を辞めてパリに行くと言い出します。この発言は、姉妹間の複雑な関係性を象徴する瞬間であり、直子の大胆な決断が新たな喧嘩の引き金となります。正月早々の大喧嘩は、家族間の愛憎劇を際立たせ、彼女たちの成長と葛藤をより深く描き出します。
『カーネーション』は、夢の実現と家族の絆、そしてそれに伴う苦悩を丁寧に描くドラマです。次回以降、優子の独立がどのように展開され、姉妹たちの関係がどう変化していくのか、ますます目が離せません。この物語が持つ深い感情や、歴史的な背景を知ることで、より一層の楽しみが生まれます。これからの展開に期待が高まるばかりです。