映画とドラマに沼る主婦

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朝ドラ『虎に翼』の第43話のあらすじは

 

朝ドラ『虎に翼』の第43話のあらすじは以下の通りです。

第9週 「男は度胸、女は愛嬌?」 

第43回は、感情の揺れ動きと家族の関係の複雑さが絡み合い、視聴する者を心の深部に訴えかける回となりました。戦後の混乱と再建期という時代背景が、猪爪家の運命をさらに深刻なものにしています。

まず、直言が半年近くも優三の死亡告知を隠していた事実を寅子が知る場面は、衝撃的です。戦時中、家族を守ることが最優先であったため、感情を押し殺して前を向かなければならなかった寅子。しかし、夫の死を知っていながらもそれを隠し続けた直言の行動は、彼なりの愛情だったのでしょうか。寅子はそのことを知りながらも、表向きには何事もなかったかのように日々を過ごし続けます。寅子が優三の死と向き合うことを拒否している姿は、戦争の時代に生きた多くの日本人が経験した感情の麻痺や、日常に追われる中で悲しみを後回しにせざるを得なかった現実を象徴しています。

その一方で、直言は肺炎を患い、医師から余命を宣告されます。衰弱する直言が家族を寝室に集め、花江が「いつまでも猪爪家の家族でいられるのか」と寅子に問いかけるシーンは、家族の絆を再確認する場面であり、同時にそれが揺らぐ可能性を示唆しています。戦後の復興期に多くの家族が経験したように、家族の形や関係は時代と共に変わっていくものであり、その変化に対してどう向き合うかが問われています。

この回で特に印象的だったのは、花江が「もっと怒るべきだ」と寅子に訴えるシーンです。優三の死を隠していた直言に対する怒りを爆発させるべきだという花江の言葉は、感情を抑えてきた寅子にとって痛烈な指摘です。戦争によって感情を押し殺してきた世代にとって、怒りや悲しみを表に出すことは許されなかったかもしれませんが、このシーンではその抑え込まれた感情が一気に浮かび上がります。

しかし、直言は弁明を始めるものの、その懺悔の言葉が家族に受け入れられることはなく、むしろ逆効果となります。愛情の告白を最後まで続けた直言の姿は、時代の波に翻弄された父親像そのものであり、彼の死が家族に与える影響は計り知れません。その数日後、直言は息を引き取りますが、その最期の姿は家族全員にとって、これからどう生きていくかという問いを突きつけています。

「虎に翼」第43回は、戦後の家族の在り方や、個々の感情のぶつかり合いを丁寧に描いたエピソードです。寅子がこれからどのように家族を守り、再び歩み出すのか、次回も見逃せません。