NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』の第59話のあらすじは以下のとおりです。
第12週 「あなたのおかげで」
第59話では、気象キャスター・朝岡(あさおか)の思いと決意が深く掘り下げられ、百音(もね)たちにとっても大きな転機を迎えます。朝岡が突然、自分の職を辞める意向を示したことに百音は動揺しますが、一方で同僚の莉子(りこ)は、この空席に自分が座ることを期待しているようです。高村が朝岡に本心を問いただす場面では、彼が気象キャスターという仕事に誇りを持っていることが明かされ、その情熱とプロ意識が伝わってきます。
朝岡がこの職業を選んだ理由は、彼自身の若き日の挫折と苦い経験に根差していました。学生時代にマラソン選手として活動していた彼は、猛暑によって熱中症で倒れ、無念の棄権を味わった過去があります。この屈辱が、彼を気象の世界に引き寄せ、気象キャスターとして人々を支えたいという強い使命感へとつながっていったのです。朝岡のこの背景には、気象が人々の生活にいかに大きな影響を与えるかを痛感させられる深みがあります。
このエピソードではまた、車椅子マラソン選手の鮫島祐希(さめじま・ゆうき)の選考会に向けたトレーニングが始まり、百音と莉子、内田の3人が彼のサポートチームとして加わることになりました。彼らは気象データを駆使し、鮫島のために最適なコンディションを模索しながら、彼のパフォーマンス向上に力を注ぎます。サポートチームとしての役割を全うしつつ、未知の分野で新しい可能性を追い求めるその姿には、現代社会の中で人と気象がどのように密接に結びついているかを改めて感じさせます。
また、この物語が舞台とするのは、気象災害が身近な脅威である日本という国で、いかに人々が気象と向き合い、その影響に備えるかというテーマです。台風や豪雨が頻発し、年々その規模が大きくなっている現実を背景に、朝岡が自らの経験をもとに気象の道へ進んだことは、多くの人にとって共感を呼ぶものがあります。鮫島のトレーニングに気象情報が関わるように、私たちの日常や挑戦にも気象が不可欠な要素として存在しているのです。
朝岡の過去と向き合いながら気象の世界に取り組む姿勢、そして彼が何を求め、どのように次のステップへ進もうとしているのか。彼の背負う思いが、百音たちや鮫島を通じてさらに深まっていく様子が見どころです。