吴磊(ウー・レイ)の成長物語――『琅琊榜』から『星汉灿烂』までの歩み
俳優・吴磊(ウー・レイ)は、2015年の中国ドラマ《琅琊榜(ろうやぼう)》で飛流役を演じて一躍注目を浴びました。16歳という若さで、寡黙で感情表現が難しいキャラクターを見事に演じた彼の演技力は視聴者を驚かせ、若手俳優としての地位を確立しました。その後、吴磊は様々な作品に出演し、俳優として着実に成長を遂げています。本記事では、彼が出演した主要なドラマ作品を追いながら、彼の俳優としての変遷をたどります。
学生と俳優の二足の草鞋で
飛流役で一躍有名になった吴磊ですが、その後も学業と演技活動の両立を続けました。2018年には中国の名門、北京电影学院(北京映画学院)に進学し、正式に演技を学びます。勉強に専念する一方で、映画やドラマへの出演も続け、学業とキャリアのバランスを保つ姿勢が彼の真面目さを物語っています。
この期間、吴磊は多様な役柄に挑戦し、演技の幅を広げました。少年から青年へと成長する中で、単なる「子役」から「実力派俳優」へと変貌を遂げていきました。
2015年《琅琊榜》で飛流役としてブレイク
《琅琊榜》は、策略家である梅長蘇(フー・ゴーが演じる)を主人公とした復讐劇です。その中で吴磊が演じた飛流は、梅長蘇の忠実な護衛で、無口ながらも高い武術の腕を持つ少年です。この役柄を、当時16歳の吴磊が見事に演じ、注目を集めました。
この作品は、中国国内外で大ヒットを記録し、吴磊は「2015国剧盛典最具潜质演员奖(最も将来性のある俳優賞)」を受賞しました。
2016年《旋風少女2》で青春ドラマに挑戦
《旋風少女2》は、青春スポーツドラマで、吴磊は主要キャストの1人である胡亦枫を演じました。武術系のアクションシーンが多く、体力的にもハードな撮影でしたが、吴磊は持ち前の運動能力で難なくこなしました。
このドラマは、彼にとって初めての現代ドラマへの挑戦であり、彼の爽やかなイメージが多くの視聴者に好評を博しました。
2017年《沙海》で成熟した演技を披露
吴磊は2017年に出演した《沙海》で、さらに演技の幅を広げました。この作品は、人気小説『盗墓笔记』シリーズを原作とした冒険ミステリードラマで、吴磊は主人公の黎簇(リ・ツー)役を演じました。
黎簇は普通の高校生から冒険に巻き込まれ、成長していくキャラクターで、吴磊自身の成長とも重なる部分が多くありました。彼はこのドラマを通じて、少年から大人へと変わりゆく過程を自然に演じ切りました。
2019年《斗破苍穹》でファンタジーアクションに挑戦
2019年、吴磊はファンタジーアクションドラマ《斗破苍穹》で主人公の蕭炎(シャオ・イェン)を演じました。この作品は、異世界を舞台にした冒険と成長を描いた物語です。
蕭炎は、家族を守るために強大な敵に立ち向かう若者で、吴磊の熱血的な演技が印象的でした。武術シーンも多く、激しいアクションをこなす彼の姿は、視聴者から高く評価されました。
2020年《长歌行》で時代劇の新たな境地へ
2020年、吴磊は時代劇《长歌行》で、李楽嫣(リー・ラクエン)を支える将軍、阿史那隼(アシナ・スン)を演じました。このドラマでは、彼の成熟した演技がさらに際立ち、キャラクターの感情の変化を繊細に表現しました。
阿史那隼は冷静で計算高い一方で、内面には熱い心を持つ複雑な人物です。この役柄を演じることで、吴磊は演技の深みをさらに増しました。
2022年《星汉灿烂》で主演として大活躍
2022年、吴磊は歴史ロマンスドラマ《星汉灿烂》で主演・凌不疑(りょう・ふぎ)を演じました。この作品は、策略家で冷徹な軍人凌不疑と、明るく芯の強い女性との恋愛模様を描いた物語です。
凌不疑は冷静で計算高いキャラクターですが、心の奥底には深い情愛を秘めています。吴磊はこの役柄を通じて、感情の細やかな表現や成熟した演技力を披露し、俳優としてのさらなる成長を見せました。
まとめ:吴磊の成長の軌跡
16歳の《琅琊榜》での飛流役から、23歳の《星汉灿烂》での凌不疑役まで、吴磊の俳優としての成長は著しいものがあります。少年時代の純粋さが残る飛流から、複雑な感情を持つ凌不疑まで、彼は多様なキャラクターを演じることで演技の幅を広げてきました。
吴磊は、単なる人気俳優ではなく、真摯に役に向き合う姿勢が感じられる俳優です。その探究心と努力が、彼を「少年俳優」から「実力派俳優」へと成長させました。
これからも、吴磊がどのような役柄に挑戦し、どのような演技を見せるのか、注目していきましょう。