中国ドラマ「繁城の殺人 大明に蠢く闇~繁城之下 ハンジョウ ダイミョウニウゴメクヤミ」第5話のあらすじは以下の通りです。
この回では、新たに赴任してきた夏捕頭が衝撃的な登場を果たし、物語はさらに緊迫感を増していきます。夏捕頭は臬台の命を受けて派遣されてきた人物で、初登場からいきなり部下に平手打ちを食らわせ、徇私や怠慢を許さぬ強硬姿勢を示します。曲三更も彼の前で河で発見された白骨死体の正体が「陳旺」であることを報告しますが、夏捕頭は彼を無能呼ばわりし、冷無疾の弟子としては見劣りすると辛辣な態度をとります。
曲三更は夏捕頭に、すでに五侯府を壊滅させたことを明かします。これにより、裏社会の情報源が絶たれ、夏捕頭は捜査に支障をきたすことを懸念します。一方、宋典使はこの五侯府について「罪孽深重」とし、審理を府衙へ送ったことを説明。夏捕頭はこの件で情報収集の道が断たれたと不満を漏らします。
その頃、風変わりな学者・鳳可追は紙を古びさせる薬液を調合し、亡き舅の名を騙って「珍蔵の書画」として偽物を売りさばいていました。曲三更は彼の筆跡模写の腕前を利用し、程逸致の偽の薬方を模写。これを程逸致に見せると、彼は一目でそれが毒薬であると気づき、さらに動揺のあまり「陸遠暴は弟に毒殺された」と口を滑らせてしまいます。
夏捕頭は捕房の仕事を再配分しますが、曲三更には事件を一つも割り振らず、冷無疾殺害事件の捜査だけを命じます。表向きは特別扱いに見えますが、実際には彼を排除する策略でした。やがて同僚たちは曲三更を罠にかけ、石灰を浴びせて暴行。そこへ宋典使が現れ、彼を救います。
冷桂児は父・冷無疾の教えを思い出し、「敵を制すには弱点を突け」との助言を曲三更に伝えます。彼は夏捕頭の「破案期限を過ぎること」を最大の弱点と見抜き、反撃の策を練り始めます。
その一方、宋典使は張管家と面会し、郝大慶による不正取引について尋問します。郝大慶は「孤児寡婦には耕せないから安く貸した」と弁解しますが、皮肉を交えて追及され、ついに真相を吐露。宋典使の冷酷な取り調べで五十大板の刑を受けます。
また、士聰は市中に広がる「妖猴伝説」に直面します。河で見つかった死体が妖怪の仕業だという噂が飛び交い、人々は神符を貼って身を守ろうとします。その頃、王掌櫃の家では窃盗事件が発生。調査の結果、かつての屋敷の持ち主・陶慧文が頻繁に出入りしていたことが判明し、士聰は陶慧文を家賊と見なします。しかし王掌櫃は陶を庇い、「私が妻の装身具を彼に渡したのです」と告白し、事件の不問を求めます。士聰はその代わりに「金瘡薬を五人分購入する」ことを条件に受け入れます。
冷桂児は、弟・冷鋭がまた喧嘩をしようとしていると曲三更に訴えます。相手は劉掌櫃の子で、妖猴騒ぎにより夜早く閉店してしまうため、動くなら今だと急かします。
劉掌櫃は神符を買うために道士を訪ね、妖猴の伝説を尋ねます。道士によれば、その「妖猴」はかつて冷無疾に殺された猿の霊であり、復讐のために戻ってきたというのです。伝説によると、20年前に山からさらわれた猿は、ある曲芸師に使われていました。子どもたちが学業を放棄して猿芝居に夢中になったことから、王夫子は怒り、無頼漢を戒尺で叩いたとも言われています。
猿はある夜、窃盗のため民家に入り込み、化粧品を盗んだことがあり、それが原因で捕まり、曲芸師は獄中で命を落とした――その猿が、今になって復讐に現れたのではないかというのです。
第5話では、陰謀と伝説、そして複雑な人間模様がさらに絡み合い、冷無疾の死の裏にある真相へと一歩ずつ近づいていきます。夏捕頭と曲三更の対立も本格化し、緊張感が高まる展開となりました。