中国ドラマ「扶揺(フーヤオ)〜伝説の皇后〜」第39話のあらすじは以下の通りです。
天権国は不穏な空気に包まれ、空を覆う黒雲の中、災厄の前触れとされる「黒渡鴨」が現れました。これは天権王国に大きな血の嵐が訪れる前兆とされています。この異変に皇后は恐れおののき、長孫迥のもとを訪れて長孫無極を助けてほしいと懇願しますが、長孫迥は決して心を動かさず、長孫無極には罪を償わせるべきだとして皇后の願いを拒絶します。
一方、扶揺は火攻めによって一時的に黒戎寨の攻撃を退けたものの、城内の食料は底をつき、持ちこたえるのは困難な状況でした。そんな中、彼女は長孫無極から託された錦囊を開きますが、中に書かれていたのは「逃」の一文字のみ。期待していた解決策ではなかったことに落胆しつつも、扶揺は決して城を捨てることはしません。
その頃、長孫平戎は金銀を赤鬼に渡し、早急に姚城を攻め落とすよう命じます。赤鬼はもはや住民の命を顧みず、城を一気に攻め落とす決意を固めます。さらに、三日以内に投降すれば命は助けると虚偽の情報を流し、飢えた住民たちは希望を求めて城門へと殺到します。しかし、これは罠でした。城門が開くと同時に、黒戎寨の兵たちは弓を放ち、出てきた民衆を容赦なく射殺。城門前は死体の山と化します。
その惨劇の中、扶揺は一人の少女を助けながら背中に矢を受けてしまいます。小七は自らが匿蛟族で地中に道を掘れることを活かし、扶揺と雅蘭珠を逃がそうと提案しますが、扶揺は逃げずに戦うことを選びます。彼女は二人にそれぞれ天権と天煞へ向かい、援軍を要請するよう命じます。
一方、長孫平戎は長孫無極が葛雅沙漠の奥地に一人で入っていることを知り、上陽宮の精鋭騎兵を欺いて砂漠に向かわせないよう細工をしていました。こうして孤立した長孫無極は水も尽き、追っ手と死闘の末、全員を倒したものの自らも力尽き、砂漠に倒れます。
王宮では皇后が長孫迦を訪ね、長孫無極を助けてほしいと涙ながらに訴えます。長孫無極との確執はあるものの、彼は皇后の想いを無下にできず、すでに密かに護衛を派遣していたことを打ち明けます。しかし、砂漠の中で無極の生死は依然として不明でした。長孫平戎の野心が暴走する中、長孫迦は情報を得るために彼に近づく決意をします。
姚城では水も食糧も断たれ、民衆の不安は頂点に。扶揺は「城を捨てる」と宣言し、民衆の非難を受けながら一人で城を去ります。しかしその行動は策略であり、彼女は官印を持って黒戎寨に乗り込み、城と皇都を引き渡すという偽りの申し出をします。
疑り深い赤鬼も、扶揺の挑発的な態度と誓いの儀式に信頼を寄せ、心尖の血を用いた盟約を結ぼうとします。しかしその瞬間、扶揺は突如として攻撃に転じ、赤鬼を討ち取り首を持ち帰ります。この奇襲で騒ぎとなった黒戎寨から、長孫無極が事前に派遣していた隠衛の助けを得て、扶揺は命からがら脱出します。
その頃、葛雅沙漠の中で長孫無極は意識を取り戻し、周囲の兵士たちが石像となって死んでいるのを目の当たりにします。彼は毒に冒された兵を倒したものの、重傷を負っており、ただひたすらに扶揺の安否を案じます。
扶揺は赤鬼の首を持って姚城へ戻り、城門前で自らの「偽りの投降」だったと叫びますが、住民たちは耳を貸さず、城門を開けようとはしません。彼女を裏切り者と信じ込む民衆は冷酷に城門を閉ざし、胡桑は千年冥鉄でできた鎖で門を固く封じます。
外では黒戎寨の追兵が迫る中、多くの隠衛が扶揺を守るため命を落としていきます。助けを乞う扶揺の声は空しく響き、彼女は失望と悲しみに打ちひしがれながらも天を仰ぎ、無念の叫びを上げます。守りたかった人々に拒絶され、何も与えられていない者たちが命を懸けて守ってくれた現実に、扶揺の胸には深い痛みが残ります。
次回、果たして扶揺はこの絶望を乗り越えられるのでしょうか。長孫無極の運命とともに、物語はますます緊迫した展開を迎えます。