中国ドラマ「扶揺(フーヤオ)〜伝説の皇后〜」第62話のあらすじは以下の通りです。
長孫迦はたった一人で長孫無極と対峙します。すべての罪を自分ひとりで背負う覚悟を見せ、ただ弟兄たちの命だけは助けてほしいと願います。長孫無極はこの願いを受け入れ、皇后と扶揺の引き渡しを要求します。すると長孫迦は苦笑しながら、「彼女たちはお前の大切な人であると同時に、私にとっても大切な人。どうして傷つけられるだろうか」と語ります。そして、ついに父と子は刀剣を交えることとなりました。
その頃、密室では皇后が毒を飲んで自ら命を絶とうとしていました。愛する人と共に生きられない苦しみを長孫無極に背負わせたくなかったからです。しかしその想いを見抜いた扶揺が先に毒薬を手に取り、自ら飲み下します。そして皇后に、「私を助けるために長孫無極を連れてきて」と託し、彼女だけを逃がします。
密室を抜けた皇后は涙を流しながら走り、すでに用意されていた長孫迥の馬車に乗せられます。すべてが長孫迥の計画通りだったと知った皇后は、絶望のあまり「私と長孫迦はこの運命の網から逃れられない」と嘆きます。
一方、毒に侵された扶揺は地面に倒れ、血を吐いて命が尽きかけています。彼女の最後の願いは、長孫無極の「善」を長孫迥が奪わないでほしいということでした。長孫無極は長孫迥を深く敬愛しているからこそ、その心を壊さないでと訴えるのです。
戦場では長孫無極と長孫迦の一騎打ちが続きます。長孫迦はわざと劣勢にまわり、無極の攻撃を受けて重傷を負います。長孫無極は殺す気などなかったものの、長孫迦が自ら剣先に飛び込んだのです。無極はついに剣を捨て、命を奪うかどうかの判断を長孫迥に委ねます。
その頃、長孫迥の元に戦場からの報告が届きます。長孫迦は捕らえられ、長孫無極は王族としての情を考え、長孫迥の処分を待っているとのこと。しかし長孫迥の本当の望みは、長孫迦が自分の息子の手で死ぬことでした。彼は侍官に命じ、長孫無極に「長孫迦をその場で処刑せよ」と命を下します。
一方、扶揺は森の中で目を覚まし、懐かしい人物・周叔と再会します。まさか生きていたとは思わず、扶揺は涙を流しながら抱きつき、自分の辛さや苦しみを訴えます。周叔は、扶揺が玄元山を離れてからもずっと彼女を見守っていたと語り、優しく慰めます。
扶揺は長孫迥の陰謀を阻止するために長孫無極の元へ向かおうとしますが、毒の影響で倒れてしまいます。周叔は苦悩します。このままでは扶揺は死ぬが、彼女を救えば「第四の封印」が開かれ、もう元には戻れない。結局、周叔は封印を解いて彼女を救い、静かに涙を流します。
幻の中、扶揺は蓮池に立ち、謎の声に導かれます。自分が「五色石の天選の者」であり、体内にはかつて五洲を混乱に陥れた「帝非天」の残された意識が眠っていると知らされます。これまで扶揺が封印を解いてきたのも、その意志による導きでした。すべての封印が解ければ、帝非天が復活してしまうというのです。
五洲を守る唯一の方法は、扶揺が死ぬこと――そして、彼女を完全に消滅させることができるのは、たった一人。「それは長孫無極である」と知らされた扶揺は、彼との旅路を思い出し、自分たちが「運命に翻弄された因縁の関係」だったことを悟ります。
扶揺は目を覚まし、命を賭けて五洲を守る決意を固めます。そして、周叔の正体を尋ねると、彼は「五洲十聖」の第二位「聖霊」であると告白します。周叔は元々世俗を離れた存在でしたが、ある日川辺で赤子だった扶揺を拾い、玄元山で育ててきました。彼は邪火を抑えて扶揺が静かに生きられるよう願っていたのです。
しかし、扶揺は自ら選んでこの道を進んだのだと言い切ります。最愛の人に出会い、五洲の美しさを知った今、後悔はないと語るのです。
最後に、周叔はかつての「焼き火棒」だった匕首を差し出します。それは「穹蒼長青木」でできた特別な匕首であり、扶揺がこれを使って長孫無極を殺せば、彼女の命を脅かす存在は誰もいなくなると告げます。逆に殺さなければ、苦しみの道を歩み続けることになるのです。
すべての力を扶揺に託した周叔は、彼女と涙の別れを交わし、「もう二度と会うことはない」と言い残して姿を消します。
運命の渦中で揺れ動く愛と宿命――次回、扶揺が下す決断とは? 注目の展開が続きます。