15世紀の朝鮮王朝は、文化的にも社会的にも非常に興味深い時期でした。この時代は、特に第4代国王世宗の治世下で文化が大いに花開いた時期として知られています。以下は、その時代の文化や社会背景に関するいくつかの重要な点です：
文化的発展:
訓民正音（ハングル）: 世宗は1446年に訓民正音を創製し、これにより朝鮮独自の文字であるハングルが誕生しました。これは、漢字文化圏にありながら短期間で独自の文字を作り上げたことで、特筆に値します。
金属活字印刷: 朝鮮は金属活字による活字印刷が盛んに行われ、多くの実用書が刊行されました。これは、高麗から続く技術であり、世宗の時代にはさらに発展しました。
社会的背景:
儒教の導入: 高麗王朝の仏教に代わり、李朝では儒教が国家の理念として重んじられ、朱子学が政治理念、生活規範として受容されました。
両班（ヤンバン）: この時代には、両班と呼ばれる特権階級が官僚制を牛耳り、中央権力の争奪戦が激化しました。これにより、朝鮮は政治的にも混乱していきました。
対外関係:
日朝貿易: 朝鮮は日本と積極的に日朝貿易を展開し、1443年には室町幕府との間で癸亥約条（嘉吉条約）を結んで通商関係を定めました。
芸術と工芸:
陶磁器: 朝鮮の陶磁器は、高麗青磁に代わって白磁の製造で独自の文化を高め、日本にも輸出され、茶道の流行の中で茶人に珍重されました。
この時代の朝鮮は、文化的にも社会的にも大きな変化の時期であり、後の歴史に大きな影響を与えたことがわかります。特にハングルの創製は、朝鮮の文化史における最も重要な出来事の一つとされています。また、儒教の導入と両班による政治の牛耳りは、社会構造に深い影響を与えました。
