『花の乱』は、1994年4月3日から12月11日にかけて放送されたNHK大河ドラマで、室町幕府第8代将軍・足利義政の妻である日野富子の生涯と、応仁の乱およびその前後の状況を描いた作品です。主演は三田佳子さんが務めました。
あらすじ
平安建都1200年を記念して制作されたこのドラマは、日野富子の生涯を中心に、応仁の乱や室町時代末期の政治的な動きを描いています。日野富子は、義政の夢を見て恋い焦がれるようになり、様々な策略を巡らせながらも、最終的には御台所としての地位を確立します。しかし、義政との関係は次第に揺らぎ、物語は富子の孤独な終焉へと向かっていきます。
キャスト
山名氏、畠山氏などの守護大名や、京マチ子、萬屋錦之介、佐野史郎、藤岡弘、役所広司など、多くのベテラン俳優が出演しています。
見どころ
『花の乱』の特徴としては、劇中の台詞で人名を呼ぶ際に諱ではなく官位や通称を用いる点が挙げられます。また、主人公を演じる役者がナレーションを務めるというのも大河ドラマでは珍しい試みでした。さらに、松たか子さんや市川新之助(現・團十郎さん)、野村萬斎さんなど、後に活躍する俳優たちの若かりし頃の演技も見どころの一つです。視聴率は平均14.1%、最高で18.3%となり、当時としては低い数字でしたが、後年の再評価もあり、2000年には全編が再放送されました。