大河ドラマ『平清盛』の第22話「勝利の代償」
保元の乱が終結した後、勝利した側も敗れた側もそれぞれの一族の中で「敵方」の処遇に悩まされます。負けを察した藤原頼長は逃走中に矢を受け、父・忠実の館まで辿り着きますが、藤原の家を守るため、忠実は息子を屋敷に入れることができません。頼長は輿の中で舌を噛み切ります。一方、山に逃れた崇徳上皇は行き場を失い、迷うことなく後白河帝によって流罪にされます。
源氏では、義朝が父・為義を気にしつつも受け入れられない状況にあります。平氏でも、棟梁である清盛は叔父・忠正を探すことができず、やっと見つけた忠正は命を断とうとしますが、清盛は彼に自分の元に留まってほしいと願います。しかし、信西からは「罪人どもを斬首せよ」という冷酷な命令が下され、清盛と義朝はその言葉を受け入れざるを得ません。
このエピソードは、朝廷の争いのために家を二分して力を尽くした武士たちに対する朝廷の裁断がいかに冷たいかを描いており、武士の世がすぐそこまで来ているという清盛の言葉が、まだ早いと感じさせる内容となっています。勝利した者にも敗れた者にも、つらい結末が待っていたというのが、この話の核心です。