安元3年、後白河法皇は平家打倒の計画を進めていました。この計画は鹿ヶ谷の山荘で、法皇、藤原成親、西光が中心となって進行しており、多田行綱らも参加していました。会合中に酒が入った瓶子が倒れ、「平氏(瓶子)たはれ候ぬ」という言葉と共に、計画の成功を祝うかのような場面がありました。しかし、この計画は多田行綱からの密告により清盛に知られることとなります。
一方、伊豆では、政子が頼朝に源氏の魂を忘れないよう説き、頼朝は政子の言葉に心を動かされます。政子は頼朝に自分を明日へ連れて行ってくれるよう頼み、頼朝は新たな決意を固めるのでした。
清盛は後白河法皇との権力対立に立ち向かい、老いを迎えながらも生き急ぐように動きます。平家が覇を唱えた世が変貌を見せ始め、源氏が再起を図る萌芽が生まれつつありました。
このエピソードは、平家と源氏、そして後白河法皇の間の権力闘争が本格化し、歴史の大きな転換点へと進んでいく様子を描いています。個々の人物の感情や思惑が複雑に絡み合いながら、日本の歴史における重要な時期が動き出す瞬間を見事に表現しています。