NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』の第1話のあらすじは以下のとおりです。
第1週 「天気予報って未来がわかる?」
『おかえりモネ』は、気仙沼の自然、歴史、そして「天気」というテーマが織りなす新しい物語の幕開けとして、歴史ドラマファンにとっても興味深い作品です。物語は、亀島という小さな島で誕生した永浦百音(ももね)の成長とともに、気仙沼を含む東北地方の厳しい自然の力、特に天気とどう向き合い、生活に取り込んでいくかが描かれていきます。このドラマをただの日常物語と捉えるのではなく、地方に息づく古き良き価値観や、自然と共存する生き方を深く掘り下げている点が見逃せません。
1995年9月の大風12号による暴風の夜、百音の母である永浦亜哉子が産気づき、嵐の中を夫の耕治と共に懸命に産院へ向かうという緊迫した場面で物語が始まります。このシーンだけで、東北地方が自然の猛威にさらされる厳しい環境に生きる人々の力強さが感じられ、百音が生まれたこと自体が何か大きな力に祝福されたように思えるのです。嵐を越えて生まれてきた彼女の人生が、自然と密接に結びついていく予感を抱かせます。
その後、2014年に成長した百音は、地元の離島・亀島を出て、内陸の登米(とめ)市に移住し、森林組合の見習い職員として新しい生活をスタートさせます。百音が下宿するのは、祖父の古くからの友人である新田サヤカの家。彼女は登米の山々を管理する山主として尊敬される存在で、地域社会に深く根付いた影響力を持っています。百音はサヤカから、自然の中で働く上での知識や価値観を学び、少しずつ大地の知恵を吸収していきます。
一方で、百音の父・耕治は、百音の新生活に不安を抱き、娘を実家に戻したいと願っています。この親心もまた、東北の厳しい自然環境や、親が子に託す安心と守りの願いが反映されています。そんな耕治の気持ちに反して、百音は少しずつ自分の道を見つけようと前進していきます。自分が生まれ育った場所から離れ、新しい環境で自然と向き合いながら成長していく百音の姿には、自然と共存するための強さとしなやかさを感じずにはいられません。
『おかえりモネ』は、単なる若者の成長物語という枠を超え、気仙沼や登米の豊かな自然と人々の関わりを描くドラマです。歴史の中で自然災害に立ち向かいながら生きてきた東北の人々の力強さや、古き良き価値観を映し出し、見どころ満載です。