中国ドラマ「東宮(とうぐう)~永遠の記憶に眠る愛~」第43話のあらすじは以下の通りです。
裴照(はいしょう)は小楓(しょうふう)のことを心配しながら帰宅しますが、落ち込んだ様子に洛熙(らくぎ)が気づきます。洛熙は、裴照がずっと小楓のことを気にかけているのを感じ取り、「小楓はきっと戻ってくるから、少し休んで」とやさしく励まします。裴照が何かを言おうとしますが、洛熙はそれを制して言葉を遮りました。
一方、趙瑟瑟(ちょうせつせつ)は李承鄞(りしょうじん)を訪ねますが、外で阿渡(あと)とぶつかります。阿渡にぶつかられたものの気にせず進む趙瑟瑟ですが、時恩(じおん)に止められてしまいます。「ここは自分が自由に出入りしていた場所なのに、なぜ今さら止めるのか」と怒る趙瑟瑟。しかし時恩は「太子の命令で、今日は誰とも会いたくないとのことです」と冷静に応じます。仕方なく趙瑟瑟は持ってきた食事を置き、引き返しました。
その頃、顧剣(こけん)は昏睡する小楓を見守りながら、心の中で葛藤していました。小楓が自分のことを思い出すのか、もし自分が本当に刺客だったのなら、小楓の最後の想いは李承鄞に向けられていたのか――そんな思いに胸を痛めます。
李承鄞もまた眠れず、小楓と顧剣の影が夢に出てきてうなされます。夢の中で、顧剣が小楓を背負い、挑戦的な目で自分を見ていた場面がよみがえってくるのです。
顧剣は、小楓のために生姜湯を作り、看病します。小楓は咳き込みながらも、ふとした隙に顧剣の顔の覆いを引き剥がし、「なぜ皇帝を刺そうとしたのか? 私を誘拐したのはなぜ?」と問い詰めます。顧剣は「小楓を傷つけるつもりなど一度もなかった。ただ守りたかった」と訴えますが、すべてを説明することはできません。
小楓が「私を東宮に戻して」と言うと、顧剣は「また傷つくから戻させたくない」と拒みます。その言葉に小楓は動揺し、「あなたはいったい何を知っているの?」と問い返します。
一方、李承鄞は怒りに駆られて柴牧(さいぼく)の元を訪れ、「顧剣は何を隠している? 小楓との関係は?」と問い詰めます。柴牧は、「李承鄞が神経質になっているだけで、小楓と顧剣の間には何もない」と答えます。
顧剣は、かつて小楓に送った「鳴笛(めいてき)」を見せ、「これを吹けば、どこにいても駆けつける」と言います。その笛を握った小楓の瞳から涙がこぼれますが、すぐに「何も思い出せない! 顧剣なんて知らない!」と叫び、再び気を失ってしまいます。
一方、皇帝は明月(めいげつ)に薬を与えながら「もう安心してよい。今は現実だ。正式にお前を妻にする」と語りかけます。明月はその言葉に涙を流し、皇帝の肩にもたれます。
しかし、高于明(こううめい)は明月の出自に疑いを持ち、「明月が青楼に売られたときはまだ4〜5歳だった。血書は作られたものかもしれない」と考え、調査担当の孫二(そんじ)を抹殺します。
貴妃も明月に薬を届けに来ますが、皇帝はそれを受け取るだけで、明月に「他人の食べ物には手をつけるな」と警告します。
一方、阿渡は街中で顧剣らしき人物を見かけ、追いかけようとしますが群衆に阻まれ、見失ってしまいます。
小楓が目覚めると、弩(いしゆみ)と鳴笛が枕元に置かれていました。それを手に取り、静かに見つめます。
その頃、李承鄞は孫二が明月の調査のために名玉坊に出入りしていたことを突き止めます。孫二は高于明の遠縁にあたる人物だったのです。皇帝は、「自分を刺した者は死を覚悟していた。太子妃の言葉だけで思いとどまるはずがない」と考え、李承鄞に「その刺客は小楓と何か関係があるのではないか」と疑います。李承鄞は慌てて否定しますが、真相は見えていません。
そして、小楓は密かにその場を離れますが、体調はまだ万全ではなく、途中で倒れてしまいます。意識が朦朧とする中、小楓は夢か幻のように、森の中にいる「顧小五(こしょうご)」と名乗る人物を目にします。そこへ突然、狼が飛び出してきて、思わず「顧小五、小心して!」と叫ぶ小楓――。
第43話では、愛と記憶、そしてそれぞれの心の葛藤が交錯します。小楓が少しずつ過去を思い出し始める一方で、顧剣や李承鄞の思いも複雑に絡み合い、物語は次第に核心へと近づいていきます。次回も目が離せません。