映画とドラマに沼る主婦

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連続テレビ小説「カーネーション」の第72話のあらすじは

連続テレビ小説カーネーション」の第72話のあらすじは以下の通りです。

第12週「薄れゆく希望」「アネモネ

第72話では、戦時中の日本の悲劇がまた一つ浮き彫りにされ、胸を打たれる展開となっています。昭和19年(1944年)の秋、戦況はますます厳しくなり、若者たちは次々と戦場に送り出されます。その象徴的な出来事として、善作が愛していただんじり祭りが中止となる場面が描かれます。だんじり泉州地方の伝統行事であり、地域の誇りや結束を象徴するものです。それが中止になるということは、戦争が人々の日常生活にどれほど深く影響を与えていたのかを物語っています。善作の仏前にだんじりの中止を報告する木之元たちの姿には、時代の無情さと、守るべきものを守れない無力感が込められています。

この話の中心にいるのは、糸子と周囲の人々の絆です。糸子はオハラ洋装店の経営に忙殺され、周りの人々の苦悩に気づかないようになってしまいます。千代が八重子の様子を気にかけても、糸子は「他人の荷物まで持ってる余裕はない」と突き放す。この言葉には、戦時下の現実と、誰もが自分のことで精一杯になっている状況が見て取れます。戦争は、家族や仲間の結びつきをも引き裂いていくのです。

そんな中で、勘助の出征が物語の大きな転換点となります。糸子に会いたいが、自分にその資格がないと語る勘助の言葉には、戦争が彼から奪ったものの重さがにじみ出ています。彼の出征前の寂しげな姿を見つめる光子の涙、そしてそれを聞いた糸子が店を飛び出し、必死に勘助の名前を叫びながら追いかける場面は、見る者の心に深く響く瞬間です。しかし、糸子が到着した時にはすでに列車が発車しており、勘助は戻ってこないという運命が暗示されます。

このシーンは、戦争がもたらす残酷さを如実に表しています。出征する人を見送る悲しみ、そしてその後すぐに戻らない者の知らせを聞かされる家族の絶望感。勘助の葬式行列が出るまでわずか一か月という短い期間が、それほどまでに戦争が人々の命を無情に奪っていくことを象徴しています。

第72話は、戦時中の日本における日常と、その中で繰り広げられる悲劇を細やかに描写しながら、人々が直面する絶望と、それでもなお繋がり続ける絆の力を感じさせる内容でした。勘助の出征と死という悲劇は、戦争がいかに多くの命と夢を奪い去っていったかを痛感させますが、その中でも糸子たちが前を向き、どのように生き抜いていくのかが今後の大きな見どころとなるでしょう。