中国ドラマ「東宮（とうぐう）～永遠の記憶に眠る愛～」第29話のあらすじは以下の通りです。
高坤は李承鄞がわざと小楓を遠ざけているのは、趙家を味方につけるためだと考えています。しかし高于明は、趙家よりも李承鄞の側近である柴牧の存在をより危険視していました。また李承鄞と小楓の表面上の仲違いは、実は西州との関係をよりコントロールしにくくさせるかもしれないと懸念しています。
その頃、小楓は宮中で皆から話しかけられず、李承鄞の命令だと知りますが、恐れることなく「話さなければ話さないでいい」と割り切っていました。
洛熙と永宁が宮中を訪れ、小楓の味方となって話しかけます。二人は趙瑟瑟が李承鄞を惑わせていることを責め、小楓を心配していました。
この日は洛熙の誕生日でした。太皇太后は盛大な宴を計画していましたが、洛熙は形式ばった儀式を嫌い断ります。そこで小楓は洛熙と永宁に、こっそり侍衛の交代時に出かけて祝うことを提案し、三人は密かに約束を交わします。
翌日は趙瑟瑟の誕生日でもあり、洛熙は小楓にそれを伝えます。小楓は内心複雑な思いを抱き、李承鄞が趙瑟瑟に盛大に祝いをするのだろうと想像します。
皇后は侍女から、李承鄞が小楓に話しかける者を厳しく罰していると聞き、激怒します。張玫娘は李承鄞の趙瑟瑟への寵愛に腹を立て、手に持っていた薬碗を割ってしまいます。その際、そばにいた侍女の緒娘がその臭いに耐えられず嘔吐してしまいました。
小楓と阿渡は市場を散策しますが、誰かに尾行されていることに気づきます。小楓は阿渡と別れて追跡者の注意を引きつけようとしますが、阿渡はすぐに捕まり、尋問を受けます。そこへ顧剣が現れて彼らを倒し、阿渡から尾行者の腰牌を奪い取ります。
小楓は一人で医館を訪れ、記憶の回復を願って診察を受けます。医者は小楓の頭には傷がないが、体内に冷えが強いと診断しました。これは小楓の記憶喪失の原因としてこれまで聞いていた「頭の怪我」とは異なっており、小楓は大いに驚きます。
医館を出ると阿渡が来て、二人で米ロ酒肆（酒場）で顧剣を待ちます。顧剣が到着し、小楓が診察を受けていたことを医者に話します。
小楓は酒肆で酒を飲みながら、心に引っかかっている何かを思い出せずにいました。米ロは「世の中で無関係に生きる者は少なく、忘れられない記憶は忘れてもいい。過去は風のように流れ、胸のうちにこだわるな」と励まします。その言葉に小楓の気持ちは少し晴れます。
小楓は米ロに金を渡し、友人の珞熙の誕生日に貸し切りで使いたいと頼み、米ロも快く引き受けました。
その時、羽林軍の一団が酒肆に押しかけ、暴れ始めます。彼らは歌い手に曲を変えろと無理強いし、小楓は彼らを「癞蛤蟆（カエル）」と皮肉ります。
羽林衛の張参は小楓の美貌に興味を持ち、挑発します。小楓は一杯の酒を張参の顔にかけ、阿渡が箸で張参の手を刺して小楓と共に逃げ出します。
顧剣が駆けつけると米ロは騒動を報告し、顧剣はすぐに追いかけます。
張参たちが追いつき、小楓は体力の限界で反撃を考えていたところ、裴照が現れて張参を叱責し、張参は慌てて退散しました。
顧剣は小楓の無事を確認し安心します。小楓は裴照に「今日の洛熙の誕生日を祝おう」と誘いますが、裴照は止められずに小楓は先に走り去ってしまいます。
顧剣は裴照に「大勢を連れてきて小楓の外出を警戒しすぎだ」と責め、裴照も顧剣に「小楓の面倒を見きれていない」と責め返しました。
小楓は珞熙のためにプレゼントを買い、色の良い孔雀石を二つ選び、それぞれに趙瑟瑟と洛熙の名前を書いてもらいます。小楓は趙瑟瑟が悪い人ではないと思い、誕生日の贈り物として用意しました。
夜、裴照は小楓の頼みで宮門で洛熙と永宁を迎えます。彼は小楓の奔放な性格を理解しつつも、二人の姫君は宮中で育ったため騒ぎを起こさないよう注意します。
洛熙は誕生日であることを理由に裴照に甘え、永宁は何かあれば自分が責任を取ると宣言しました。裴照は仕方なく二人を酒肆に連れて行きます。
小楓は孔雀石を洛熙に渡し、彼女は大喜びします。洛熙は初めて米ロに会い、その豪快さに惹かれました。
米ロは自慢の美酒を皆に披露し、自由に飲むように勧めますが、洛熙は酒を飲んだことがありません。米ロは洛熙を無理やり飲ませようとしますが、裴照が止めます。米ロは裴照と親しい様子で、二人のやり取りに洛熙は少し気まずくなりますが、自分は飲めると宣言し、米ロに引き込まれます。
その夜、女性たちは夜通し盛り上がり、永宁は酔いつぶれ、洛熙は酔いの勢いで裴照に情詩を詠みます。裴照は顔を赤らめ、どう対応していいかわかりません。
小楓はそんな様子を見ながら「女が酔うと怖い」と感想を漏らします。
深夜、三人が宮に戻ると永娘が起こしに来ます。翌日は趙瑟瑟の誕生日なので、贈り物を忘れないようにと念を押され、小楓は準備済みだと答えました。
翌朝、小楓は寝坊してしまい、永娘が何度も起こしますが起きず、仕方なく趙瑟瑟に長寿面を贈ります。
侍女の锦儿は、この簡単な贈り物に小楓が趙瑟瑟を軽んじていると怒り、長寿面を捨てようとしますが、趙瑟瑟はわざと「いただく」と言って拒みません。
そんな時、怒った李承鄞が小楓の部屋に乱入し、毒物を探していると言いながら部屋を荒らします。小楓が入れ物の中から装飾品を見つけ取り上げ、これから贈るものだから触らないでほしいと強く言います。
第29話では、小楓が宮中で孤立しながらも周囲の支えを受けて誕生日を祝う様子や、記憶の謎を探る過程が描かれます。また、羽林軍とのトラブルや洛熙との友情、李承鄞の執着や嫉妬など、人間関係の複雑さも際立っています。物語はさらに深まり、視聴者の期待を高める展開となっています。
