2005年のNHK大河ドラマ「義経」では、源頼朝と義経の対立は、家族の絆と親子の絆をコンセプトに、疑似家族としての主従の絆、そして政治的な葛藤と苦悩を新しい解釈で描いています。ドラマは、義経が武家政権のリーダーとして理を重んじる頼朝と価値観の相違から徐々にすれ違っていく様子を描出しています。また、義経が清盛を実の父と信じていたという点も、頼朝との対立に影響を与える重要な要素として取り上げられています。
頼朝の政治家としての苦悩や、義経の想いを描くにあたって「新しき国」という言葉が物語上で重要な要素となっており、義経が兄弟としての情を求める一方で、頼朝は武家政権のリーダーとしての立場を優先させることで、二人の間には深い溝が生まれていきます。
このように、ドラマは史実に基づきつつも、登場人物たちの内面的な葛藤や感情を重視したドラマチックな描写で、頼朝と義経の対立を表現しています。実際の歴史とは異なる創作的な要素も含まれているため、ドラマとしての解釈には注意が必要ですが、歴史上の人物たちの人間関係や心情を理解する上で興味深い視点を提供しています。
