連続テレビ小説「カーネーション」の第13話のあらすじは以下の通りです。
第3週「熱い思い」花言葉の花「カンナ」
連続テレビ小説「カーネーション」第13話では、糸子が新たな挑戦に直面する姿が描かれています。これまでの物語で、糸子は父・善作からの許しを得て、女学校を辞めて桝谷（ますたに）パッチ店で働くことを決意しました。これまで憧れ続けたミシンに触れる日が来ると胸を高鳴らせていた彼女にとって、この新しい一歩は人生を変える大きな転機です。
桝谷パッチ店での初日は、糸子にとって予想外の展開でした。職人たちの大歓迎を期待していた彼女ですが、実際には冷たく突き放されるような態度を取られます。「客だから愛想良くしただけ」という職人の一言は、当時の商家の厳しい徒弟制度を反映しているようです。職人たちは、働き手として認められるためには時間と努力が必要であることを糸子に痛感させます。弟子の一人から「見習い期間は5年、ミシンを使えるまでに10年かかる」という言葉を聞いた糸子のショックは、彼女の夢が一筋縄では叶わない現実を象徴しています。
この時代、大正期の日本は産業の発展期にありましたが、家業の存続や家族のために働くことは特に女性にとって大きな責任を伴うものでした。糸子が夢見るパッチ店での仕事も、華やかさとは無縁の厳しい現実に満ちています。しかし、それこそが彼女の成長の鍵であり、彼女がどう立ち向かうのかが、この物語の魅力です。
また、父・善作の「勉強だと思え」という言葉には深い意味があります。善作は単なる家業の手伝いとして糸子に仕事をさせるのではなく、彼女に人生を学ばせる場としてパッチ店を選んだのです。これは、当時の日本において女性が社会で自立していくための道を開く一つの試みとも言えるでしょう。糸子の挑戦は、家族のためだけでなく、自分自身の未来を切り開くためのものでもあります。
このエピソードでは、糸子が初めて自分の力で社会に出る瞬間を目撃できます。彼女がどのようにして職人たちとの信頼を築き、ミシンを使えるまでの道のりを歩んでいくのか、これからの展開が非常に楽しみです。糸子の成長物語は、困難を乗り越えた先にどんな未来が待っているのかを思わせる、力強いメッセージを感じさせます。彼女の決意と勇気に心を打たれながら、次回も目が離せません。
